2007/11/26 (Mon) "本の虫 虫の息" 終章 文

最終話

　結局、事件でもなんでもなかったのだろうか。

　かつて、皆が"秘密基地"で遊んでいた頃、ロボットの反乱がSF小説にたびたび登場していた頃、僕らはこの"対人恐怖症"とは無縁だった。
　そこには只、溢れんばかりの好奇心と、躓くと目に留まる一握りの孤独感があった。

　なんの変哲もない一日が過ぎ、僕は僕の―父の？―フランケンシュタインコンプレックスを再確認しただけだった。

　当然、僕の行いは人に知られることはなかったし、父は離婚を思いとどまることができたのだ。
　やはり、目の前の風景に変化はない。

　父はSTM'00を片手に昔のアニメを見ている。
―・・・を悪者にしちゃいけな・・・―

　冬の風が火照った体に心地よい。
　空のプラスチックボトルが飛んでいた。


　　　　　　　　終

2007/09/08 (Sat) 胡蝶 文

　夢を見た。

　僕は銃を持っていた。けれど、決して撃たなかった。
　誰かを守っていた。同じくらいの女性だった。
　僕は銃で誰かを叩いていた。蹴ってもいた。
　でも、拳でだけは殴らなかった。

　僕は知っていたからだ。
　人の手は簡単に人を殺してしまう。


　次に見た夢で、僕は自分の手を見ていた。
　皮が破れ、血が流れていた。

2007/05/28 (Mon) i 文

いくつか関係のない文が続きます
タイトルにかかわる言葉一通りに興味のない方もリンク先だけ見てください
Ｌｏｖｅ＠Ｍａｉｌ　著者：黒　史郎
OrangeStarComics

どうやら、一人で絵を描くことは難しくなったようです
実は昔からそうだったのかも
人が恋しくて閉じこもっていたようです

今日は久しぶりに一所懸命、稽古をした
やっぱり人を殴るって気持ち悪い
でも血が騒ぐって言うか、そんな感じ
あんなに大嫌いな人殺しどもの血が流れてるんだ
まぁ、多分言い訳だけど
そして、ふと気づいたんだ
もうあれから十年もたってるんだ
理解できなかったな
今もできないけど

さっきの話とかぶるけど、弟にあったらわかるかも
少し前に夢を見たんだ
許されない夢を
知ってたんだろうな、昔から
心の底では気付いてたのかも

恋に恋する歳はいつまでだったんだろう

さて、最近発見した恋は終わりに向かう？
今度の食事かな

親には見せたくない癖が復活してしまったようだ
これって周期みたいなものかな、発情期みたいな
親は悲しむかな、困惑するかな
嗚呼、ぞくぞくする
あの人に止めてほしい
でも、そしたら、たぶん我慢できなくなると思うから

さぁ、気持ちは落ち着いた？
早く布団へ
怖い夢が見れることを祈って

잘자

馬鹿がつくほど正直であってほしい君へ
嘘吐きな君を愛する者より

2007/04/28 (Sat) 洗面所は階段上がってすぐ左 文

　片思いして、されて。　遠回しにふられて、ふって。
　いつでも一人部屋にこもる。
　ミュシャに憧れて、でも描けないことには気付いてて。
　前進しないのは怖いから？
　努力するなも面倒だ。

　蛇の巻かれた水晶玉。
　ニッケルメッキの鳥かごと。
　あの子からのプレゼント。

　昔は恋なんて知らなくて、それでも話題はおきまりで。
　リチウムの花に憧れた。

　脱出願望を持ったマザコンが、僕の涙をねらってる。
　電波はまだ届かない？

　嗚呼、諸行無常。
　諸行無常。

　扶桑の木の向こうから、連絡しようと試みる。


　嗚呼、また河童が溺れてる。

2006/09/04 (Mon) 指切り・弐 文

これは管理人:C2H5OC2H5の作った物語です。実在の人物、事件とは関係ありません。
つまり、フィクションです。
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　自分はイジメにあっていた。
　それが一日で変わった。
　朝、一人に話しかけられた。積極的にはイジメに加わらなかったけど、助けてもくれなかった人だ。
　落書きしてたら聞いてきた。何を描いているのかと。
　彼は絵が好きだ。それは知っていた。デートに美術館に行きそうなくらいだ。
　彼の描く絵は好きだ。綺麗だから。
　だが、彼は嫌いだ。なんか偉そうだ。

　イジメにあうのは辛かった。
　薬飲まないと寝れなかった。
　友達と思っていたのは自分だけだったみたい。
　よく”大人”が言う「人間関係が希薄になった」というのは本当だな。
　リストカットもしたことがある。
　よく勘違いされるが、リストカットをする理由は”生きてる実感”とか、そんな大それた事じゃない。
　気分転換だ。
　血が出ると、嫌なことも忘れられる気がするんだ。
　そして、どこからか今までに無いくらいの”やる気”みたいのが出てくるんだ。

　それにしても、自分もなかなか子供だな。
　あんなに辛かったはずなのに、もう理性的に考えられる。
　イジメを先導してた奴は、殺したいほど憎いのに。
　”大人”にも助けられたし。いつもは、見下すに近い態度をとってたのに。

　たまに”ガキ”な自分が嫌いになる。宿題ためこんだり、知ったかぶったり。
　だから、自分がこういう奴だってわかってるのに助けてくれる先生には感謝してる。

　卒業文集に書ける夢ができた。